
芸術家における作品の作風や個性は、ブランドやアイコンとして、作品を売るための重要な要素の一つとなる。例えば草間彌生氏の水玉模様や村上隆氏の表情のあるお花、奈良美智氏の感情が読めない少女像などのように。
上記で挙げた芸術家は、結果として作品の特徴がアイコンになったのであろうが、敢えて「売れる」作風の作品を作り続ける芸術家は少なくない。ピカソも「ほとんどの芸術家は、ケーキ工場のように同じような作品を作り続ける」という言葉を残している。
芸術家にも生活があるのだから、こうした活動は批判すべきではない。しかし劉一鵬氏は、自身の作品のブランド化やアイコン化を避けているように見えるほど作風を変える。その都度変化する作風を比較すると、本当に同一人物が描いているのか、と困惑するほどだ。
以前本人と話をした際、劉氏は「私はその時描きたいものを、描きたいように描くだけです」と話していた。彼が芸術家として活動するようになって約30年経っているが、現在も「作りたいものを作る」という意思を持ち続け、決して守りの姿勢でないことに驚かされる。常に新しい芸術家や作品、そして芸術の潮流の情報を追い続け、自身をアップデートし続けているのだ。
だがそのような彼が、一貫して持ち続けているものがある。それは伝統的な文化・画題に対する敬意だ。確かに描き方は伝統的な技法を活かしながら時流に合わせて変化させている。だが描くモチーフやテーマは、決して現代的なものや流行に合わせたものではない。古くから受け継がれてきた文化や画題を、自身の文脈や解釈の中で描き、その成果を世に問うているのだ。
今回の展覧会は、これまでの劉一鵬氏の様々な表現の作品を掻い摘んで展示するものだが、彼の思考の変遷だけでなく、画業そのものを俯瞰できる展示と言えるだろう。
彼が今後どのように変化していくのか予測しつつ、これまでの足跡を楽しんでいただきたい。
劉一鵬(Liu Yipeng, りゅう かずほう)
中国上海美術家協会会員 日本中華文学芸術家聯合会常務理事
1970年中国安徽省安慶市生まれ。画家である父の影響で、幼少期より水墨画を学ぶ。
その後中国の線描と印象派の色彩感覚を併せた作風を打ち出す。
作風は何度か変遷を経ているものの、常に伝統的な画題を現代感覚にあふれる清新な画調で創出し続けている。
これまで中国、アメリカ、フランス等の美術展に多数参加するとともに、日本でも銀座を始め、
全国各地の画廊や百貨店で数多くの個展を開催している。
【作品収録】
・日本美術年鑑出版社「美術年鑑」(1994)
・香港大世界出版社「世界華人芸術家成就博覧大典」(1996)
・中国河南美術出版社「世界華人美術年鑑」(1995)
・中国上海人民美術出版社「上海書向篆刻家名典」等
上記で挙げた芸術家は、結果として作品の特徴がアイコンになったのであろうが、敢えて「売れる」作風の作品を作り続ける芸術家は少なくない。ピカソも「ほとんどの芸術家は、ケーキ工場のように同じような作品を作り続ける」という言葉を残している。
芸術家にも生活があるのだから、こうした活動は批判すべきではない。しかし劉一鵬氏は、自身の作品のブランド化やアイコン化を避けているように見えるほど作風を変える。その都度変化する作風を比較すると、本当に同一人物が描いているのか、と困惑するほどだ。
以前本人と話をした際、劉氏は「私はその時描きたいものを、描きたいように描くだけです」と話していた。彼が芸術家として活動するようになって約30年経っているが、現在も「作りたいものを作る」という意思を持ち続け、決して守りの姿勢でないことに驚かされる。常に新しい芸術家や作品、そして芸術の潮流の情報を追い続け、自身をアップデートし続けているのだ。
だがそのような彼が、一貫して持ち続けているものがある。それは伝統的な文化・画題に対する敬意だ。確かに描き方は伝統的な技法を活かしながら時流に合わせて変化させている。だが描くモチーフやテーマは、決して現代的なものや流行に合わせたものではない。古くから受け継がれてきた文化や画題を、自身の文脈や解釈の中で描き、その成果を世に問うているのだ。
今回の展覧会は、これまでの劉一鵬氏の様々な表現の作品を掻い摘んで展示するものだが、彼の思考の変遷だけでなく、画業そのものを俯瞰できる展示と言えるだろう。
彼が今後どのように変化していくのか予測しつつ、これまでの足跡を楽しんでいただきたい。
劉一鵬(Liu Yipeng, りゅう かずほう)
中国上海美術家協会会員 日本中華文学芸術家聯合会常務理事
1970年中国安徽省安慶市生まれ。画家である父の影響で、幼少期より水墨画を学ぶ。
その後中国の線描と印象派の色彩感覚を併せた作風を打ち出す。
作風は何度か変遷を経ているものの、常に伝統的な画題を現代感覚にあふれる清新な画調で創出し続けている。
これまで中国、アメリカ、フランス等の美術展に多数参加するとともに、日本でも銀座を始め、
全国各地の画廊や百貨店で数多くの個展を開催している。
【作品収録】
・日本美術年鑑出版社「美術年鑑」(1994)
・香港大世界出版社「世界華人芸術家成就博覧大典」(1996)
・中国河南美術出版社「世界華人美術年鑑」(1995)
・中国上海人民美術出版社「上海書向篆刻家名典」等
